ガン患者の睡眠障害がヨガで改善

ガン治療を終了した患者を対象にした研究で、1カ月間のヨガプログラムに参加することにより生活の質(QOL)の向上、睡眠の改善、疲労感の軽減および睡眠導入薬の使用量が減少しました。

癌患者の約80%が治療中の睡眠障害に悩まされており、約3分の2は治療が終了しても障害が続くとされていますが、その解決法はほとんど存在していません。

この研究は、2~24カ月の治療を終了し、その後も平均以上の睡眠障害を訴えている患者410人(平均54歳)を対象としたもの。ほぼ全例が女性、4分の3が無転移乳癌患者で、過去3カ月以内にヨガの経験のある人はいませんでした。

被験者を、標準的な追加治療を定期的に受ける群と、それに加えて75分のヨガセッションを週2回、4週間受ける群とに無作為に割り付けました。


その結果、睡眠の質が改善したと報告したのはヨガ群では22%、対照群では12%でした。臨床的に睡眠障害のみられた患者では、ヨガ群の31%に回復がみられたのに対し、対照群では16%でした。

疲労感はヨガ群で42%、対照群では12%減少し、昼間の眠気はヨガ群で20%、対照群では5%の減少を認めました。ヨガ群には平均6%の生活の質の改善がみられましたが、対照群には改善がみられませんでした。

また、ヨガ群では睡眠導入薬の使用量が減少しましたが、対照群では逆に増加しました。


ヨガには、様々な有効性があります。

睡眠障害や疲労感などが改善されるということは、ヨガがガンの再発防止や治療効果の向上につながるということがいえそうですね。


( 引用:2010年5月20日 HealthDay News )