肝硬変や肝がんは、B型やC型肝炎ウイルス感染、アルコールの過剰摂取が原因といわれています。
しかし、近年では肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を高頻度に合併した脂肪肝で、炎症や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎による肝硬変、肝がんでの死亡が増加しています。
健康診断で脂肪肝と診断され、年々肝臓の数値が悪化している場合は専門医による早期の対策が不可欠です。
健康診断で脂肪肝を指摘されても、症状もないため放置することが多いのではないでしょうか。
しかし、肝硬変や肝がんのリスクが高い脂肪肝もあるのです。
従来、肝硬変や肝がんの原因は、B型、C型肝炎ウイルスの感染や過剰なアルコール摂取が主でした。
ところが近年、ウイルスに感染しておらず、アルコール摂取もない非アルコール性脂肪性肝疾患の中で、炎症や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎からの肝硬変・肝がんが増加しています。
非アルコール性脂肪肝炎の多くは肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を合併しており、ウイルス性やアルコール性肝炎よりも予後が悪い場合があります。
大阪府済生会吹田病院の岡上武院長によりますと「非アルコール性脂肪性肝疾患は現在約1000万人いるといわれ、予後が比較的良好な単純性脂肪肝と、予後が悪い非アルコール性脂肪肝炎に分かれます。
非アルコール性脂肪性肝疾患ののうち20~30%が非アルコール性脂肪肝炎と推計され、非アルコール性脂肪肝炎は10年以内に10~30%が肝硬変や肝がんに進展します」とのことです。
脂肪肝と診断された場合、自覚症状がないことが多いかもしれませんが、早期に対策を取り、肝硬変、肝がんにならないようにし気をつけましょう。