最期を安心して迎えるために

 

医療費の抑制を推し進める国の施策。

 

今、高齢者が退院を迫られる事態が相次いでいます。

 

現在、病院で亡くなる人は全体の8割。

 

しかし、近い将来、およそ半数が病院以外で死を迎えると見られています。

 

 

病院を追われ、行き場を失う高齢者。

 

どこで、どんな最期を迎えればいいのか。

 

超高齢社会が直面する新たな課題です。

 

 

2012年5月29日のNHK「クローズアップ現代(もう病院で死ねない~医療費抑制の波紋~)」では、横浜市立みなと赤十字病院の現状を取り上げていました。

 

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3205_all.html

 

 

みなと赤十字病院は、地域医療の中核を担う救急病院です。

 

救急車の受け入れ回数は、年間1万2000件を超えています。

 

入院患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者。

 

次々と運び込まれる患者を受け入れるため、早期の退院を促しています。

 

 

退院する患者をサポートする看護師の佐伯沙羅さんの言葉。

 

「日本がこれだけの超高齢化で、医療費もどんどん膨れあがって、介護保険も破たん寸前と言われる中で、現実的に保険だけで、格安の費用で、お世話が受けられるところなんかないんですね。現実なんです、これが」

 

この病院では、入院直後から患者を早く退院させることを検討します。

 

そこまで力を入れる背景にあるのが、国の医療制度改革です。

 

 

国は病院が長期入院患者を抱えるほど、受け取る診療報酬を少なくしています。

 

みなと赤十字病院の場合、年間、数億円規模の減収につながるといいます。

 

 

さらに、退院後の受け入れ先も見つからなくなっています。

 

受け皿となってきた病院でも、国がベッド数を削減しているからです。

 

費用の安い老人ホームなど、公的な介護施設の数も不足したままです。

 

病院に残された選択肢は、患者を自宅に帰すことしかありません。

 

 

この現状を皆様は、どのように考えられますか?

 

「残酷だ!」と感じられるでしょうか。

 

しかし、日本の医療費は限界を迎えている今、まずはこの現実を受け入れる必要があると思います。

 

 

ただ、医療費を抑制していくことができれば、この現状も変えていくことができるかもしれません。

 

そのためには、私たち国民がいかに無駄な医療費を使わないか、ということを考えなくてはなりません。

 

「風邪をひいて病院へ行く」

 

なんてことは、していませんか?

 

風邪だけではなく、医療に頼ることなく改善できる病気はたくさんあります。

 

ぜひ、国民全体で医療費の抑制に真剣に取り組み、日本を安心して住める国にしていきましょう!