糖尿病の人は、ガンを発症しやすい!

 

2011年の日本の糖尿病人口は1067万4320人に上り、糖尿病人口の世界ランキング第6位。

 

国際糖尿病連合が昨年発行した「Diabetes Atlas」第5版によると、世界中で糖尿病人口が急増しており、日本を含む先進国だけでなく途上国でも深刻な事態となっています。

  

実は糖尿病の方は、ガンを発症しやすいということが海外や日本での研究により確認されています。

 

欧米の報告を中心とする世界の複数の研究を統合した解析(メタ解析)によると、糖尿病の既往症がある人は、ない人に比べて、膵臓:1.82倍、肝臓:2.50倍、大腸:1.30倍、乳房:1.20倍、子宮体部:2.10倍、前立腺:0.84倍、ガンにかかるリスクが高くなることが示されています。

 

日本でも、約10万人の男女を対象に11年間の追跡調査を行った国立がん研究センターのコホート研究では、11年後の追跡調査の結果では、糖尿病の既往症がある人は、ない人に比べて、男性では、肝臓:2.24倍、腎臓1.92倍、膵臓:1.85、結腸:1.36倍など(全部位平均:1.27倍)、女性では、胃:1.61倍、肝臓:1.94倍、直腸:1.65倍、腎臓:1.36倍など(全部位平均1.21倍)という結果でした。

  

理由の1つに血中インスリン量というものがあります。

 

インスリン治療をされている場合など、血液中にインスリンが多いとある酵素の働きを抑制するようです。

 

それは、DNAの修復酵素です。

 

DNAが活性酸素などにより傷つくと発ガン化することが知られていますが、通常は、傷ついても修復酵素の働きにより発ガン化を避けることができるのですが、血中にインスリンが多いと、この酵素の働きが抑制されてしまい、DNAの傷が修復されないままになり発ガン化するのだそうです。

  

ちなみに長寿の方の血中には、インスリン量が少ないのだとか。