ドライマウス(口が渇く)の方、要注意です!

 
ドライマウスとは、唾液(だえき)の分泌量が少なくなることで口の中が乾いた状態になる症状です。
ドライマウス人口は年々増加しており、現在は800万人(予備軍は3,000万人)とも推定されています。

唾液は、健康の維持にとって大切なものです。
以下に唾液の役割についてご紹介いたします。


≪唾液の役割≫

(1)口の粘膜を潤し、口を滑らかに(潤滑作用・湿潤作用)
口の中には、硬い歯とやわらかい粘膜があります。
しゃべったり、食べたりしても傷つかないのは、唾液が口の中を潤しているからなのです。

(2) 消化を助ける(消化作用)
唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。
アミラーゼは、糖質を分解し、体内への吸収を助ける酵素です。

(3)飲み込みを助ける(咀嚼・嚥下作用)
唾液との混和で適当な食塊ができるため、飲み込みやすくなります。

(4)生体を守る(生体防御のはたらき)
口は、外から浸入してくる細菌などを防ぐ役割をしている生体防御機能がはたらいています。
唾液に含まれるリゾチームは、その役割をするもののひとつで抗菌作用を持った酵素です。
また、唾液に含まれるムチンなどは、菌を凝集させ、菌塊とし、口内から排出するはたらきをしています。

(5)味覚
食べ物に含まれる味物質が、唾液の中に溶け込み、舌の「味蕾(みらい)」と呼ばれる味覚受容器に届けられることで、味を感じることができるからです。
しかし、唾液がないと、潤滑作用がなくなって舌がこすれて味蕾がなくなったり、舌炎を起こして味蕾がはたらかなくなったりします。

(6)口の中を清潔に保つ(洗浄作用、自浄作用ともいう)
唾液は、口の中を洗い流す役目を果たします。
そのため唾液の分泌量が少なくなってしまうと、口の中が汚れやすくなり、ムシ歯にかかったり、口臭が出たりしやすくなります。

(7)お口の中のpHを一定に保つ(緩衝作用)
唾液には、口の中のpHを中性に保つ働きがあります。
特に、飲食後は口の中が酸性に傾き、虫歯になりやすくなります。

(8)酸によって溶けた歯を修復します(再石灰化作用)
ムシ歯菌が出した酸によって歯のカルシウムやミネラルが溶け出してしまうのですが、唾液にはカルシウムやミネラルを歯に補充し、修復する再石灰化はたらきがあります。


ドライマウスの原因はさまざまです。

一般的には加齢による唾液(だ液)の分泌機能の低下があげられます。

その他、精神的な緊張などによるストレスや、糖尿病・腎臓病・シェーグレン・カンジタ症などの病気、薬の副作用などがあります。

口が乾く副作用を生じる風邪薬や抗ヒスタミン剤、血圧降下剤、抗うつ剤など薬剤の服用、また、口で呼吸をしたり、軟らかい物ばかりを食べることで、あご周辺の筋力が低下することによる唾液の分泌機能の減少など、生活習慣によるものがあります。

また、飲酒や喫煙によっても唾液分泌が減少します。そのため、二日酔いの朝、口の中が乾く経験をお持ちの方も多いと思います。


生活習慣と整え、薬に頼らない生活をしましょう!