高脂肪の食事は、腸内細菌のバランスを崩す


脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが、北海道大の研究で分りました。

研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。

ラット(実験用の動物)の普通のエサに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べました。

すると通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるのですが、胆汁を混ぜたエサのラットは食中毒の原因菌としても知られる「クロストリジウム」に分類される菌が98.6%を占め、菌の8割はたった4種類になってしまいました。

この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向でした。

また、通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つかりませんでした。。


胆汁が「善玉菌」を殺すことにより、腸内が悪玉菌優勢の状態になることは、メタボリックシンドロームや大腸がんの発症原因と考えられています。

腸内細菌というと、乳酸菌や納豆、食物繊維の摂取が注目されがちですが、脂肪の過剰摂取には充分気をつけてくださいね。