入浴中の高齢者の急死が全国的に増えているようです。
九州や沖縄県でも同じ傾向で、大分県では昨年、入浴時に溺死した約180人のうち、9割が65歳以上でした。
体温や血圧の急激な変化が関係するとみられますが、冬場に集中しており、専門家はこの時期の入浴方法を工夫するよう呼びかけています。
厚生労働省によりますと、浴室での溺死者は1999年は全国で3058人だったが、2011年は4581人に増加。
九州、沖縄、山口では、横ばいの熊本県、減少した山口県を除き、福岡県で163人増、鹿児島県で34人増など、いずれも増加傾向です。
昨年、大分県警が扱った浴室や浴場での溺死者は前年比23人増の182人で、うち166人が65歳以上でした。
1~3月と10~12月に8割が集中、今月も22日現在で37人死亡しています。
福岡県では、県警が昨年1月~12月24日に扱った浴室での溺死者は457人で、平均気温が前月より6.3度も下がった11月は、死者数も前月の約4倍の71人に急増しました。
東京都健康長寿医療センター研究所の高橋龍太郎副所長は、入浴時の急死の原因について
(1)体温の上昇で意識障害になって浴槽から出られず、さらに体温が上がってしまう「熱中症」
(2)脱衣後の寒さによる血管収縮、入浴後の血管拡大などで血圧や脈拍数が変動し、脳卒中や心筋梗塞を起こす「ヒートショック」
などを挙げています。
また、こうしたリスクは年齢が10歳増えると1.34倍、気温が10度下がると1.42倍に膨らむとのこと。
入浴時の事故を防ぐための入浴法のポイントは
(1)脱衣場や浴室の室温が低くならないような工夫をする
(2)食事直後や深夜に入浴を行わない
(3)半身浴などでしっかりと深部までゆっくり温めること
などがあります。
(引用:2013.1.28 読売新聞)