産まれもってもともと持っている卵子は、年齢とともに老化し異常な卵子が増えてきます。
一見20代の卵子も40代の卵子も見た目には変わりませんが、20代の卵子では受精後5日ほどで細胞分裂を繰り返して胎児の形成を作っていくのに対し、40代の卵子では数日間は細胞分裂はするものの途中で細胞分裂をやめてしまうというのです。
多くの女性は受精が出来ればその後は妊娠できると思いがちですが、卵子が老化していると、受精はしてもその後、卵子が育たないということになるのです。
卵子は、卵子細胞の中にあるミトコンドリアがエネルギーを生み出して卵子細胞の中で自給自足を行っているのです。
20代の卵子ではミトコンドリアも元気で自給自足が出来ますが、35歳を超えてくるとミトコンドリアが衰え、卵子細胞の中がまさに砂漠のような不毛地帯と化してしまうのです。
卵子がそんな状態では、せっかく受精しても細胞分裂を繰り返すだけのエネルギーが無く途中で息絶えてしますのです。
卵子細胞は一般的な細胞に比べミトコンドリアの数が多い(約10万)理由もこのことから説明がつきます。
つまり、卵子の老化はミトコンドリアの老化といえるのです。
もちろん加齢と共に卵子が老化することは事実ですが、40歳を越えても元気な赤ちゃんを出産されている方がいることも事実です。
不妊で悩んでいらっしゃる方は、卵子のミトコンドリアを活性化させるがポイントとなりそうです。
卵子のミトコンドリアと妊娠を関連性を示したこんなデータがあります。
台湾の産婦人科のチームによる不妊症治療の新しい試みです。
体外受精を何度も繰り返している患者の卵子の中に、本人の顆粒膜細胞(卵子をとり囲んでいる細胞)から抽出したミトコンドリアを注入し、妊娠率が上昇したという結果が得られています。
高齢などで劣化した卵子の中にこのミトコンドリアを追加することにより、新しいエネルギーが生じてきたのであろうと推測されています。
この試験は、人工的にミトコンドリアを注入していますが、生活習慣によってもミトコンドリアは活性化することが可能です。
不妊で悩まれていらっしゃる方は、ぜひミトコンドリアの活性化を図りましょう。