社会保障制度改革

少子高齢化が進む日本では、社会保障費の問題が山積みです。

そこで、政府の社会保障制度改革国民会議は8月2日、高齢者にも応分の負担増を求める最終報告書案をまとめした。

医療では70~74歳の患者の窓口負担を1割に抑える特例を廃止し、2割負担を実施。
ただし、反発を和らげるため、新たに70歳になる人から負担増の対象とし、既に70歳以上の人の負担は変えない方針も検討。

介護では症状が軽い高齢者を保険給付の対象から外す案も盛り込みました。
現行1割の自己負担を、所得の多い高齢者については「引き上げるべき」と明記。
2015年度からの引き上げを視野に入れています。
食事などの世話だけが必要な人は、税金を投入する介護保険の給付対象から外し、ボランティアなどを活用し低コストで運営する「地域包括推進事業(仮称)」に段階的に移すとしました。

年金では、公的年金控除などの税制優遇について「見直しを行っていくべき」と指摘。
一方、支給開始年齢の引き上げは「中長期的課題として考える」とするにとどめました。

医療や介護、年金などの社会保障は、税金や保険料による給付費が支える。
給付費は20年間で倍増し100兆円を突破。
国の一般歳出に占める社会保障関係費の割合は5割を超しています。
社会保障費増に対応するため消費税も現行の5%から10%まで段階的に引き上げる予定ですが、これでも給付の伸びに追いつかない。

これらの改革でも、一時を凌ぐだけしかできません。
もちろん、現在の状況を考えれば、国民1人1人の負担を増やす方法しかないのかもしれません。

ただし、根本的な改革には、やはり少子高齢化を食い止め、子供の人口を増やすことを目指していくしかありません。
現在、不妊治療の助成などの制度もありますが、これだけでは人口構成比を変えるほどの力はありません。

今回の社会制度改革については、守りの制度といえます。
子供をたくさん作り、育てやすい環境を積極的に作り上げる攻めの制度のため、国民負担を増やしていくことが必要なのではないかと思います。