厚生労働省の研究班により、所得格差が寿命と関係するという驚くべきデータが発表されました。
約15,000人を最長4年間追跡した結果、『所得200万円未満』の男性がガンで死亡するリスクは、『所得400万円以上』の男性に比べ約1.9倍も多いという結果でした。
また教育を受けた年数が13年以上の人と6~9年の人を比べると、後者のリスクは約1.46倍という結果でした。
低所得者のガンの死亡リスクが高いのは、経済的な理由でがん検診を受けられないという人もいらっしゃいますので、早期発見がされにくいということもあるかもしれませんが、『ガン検診を受けている人』という前提でも1.7倍という結果が出ています。
では、なぜこれだけ死亡リスクに開きがあるのでしょうか。
それは、食生活や生活習慣、そしてストレスなどが影響を及ぼしていることが考えられます。
健康的な生活を送るためにはある程度のお金がかかります。
たとえば、安全な食品は価格が高いものが多いですし、機能性食品を継続して利用するためにもある程度の費用が必要となります。
そのため、年収200万円未満の方には手が出せず、栄養バランスの悪いジャンクフードだけで我慢している人も多いといわれています。
また、大多数の低所得者層は仕事や将来に不安を抱え、それがストレスとなって、生活習慣を乱してしまうことも多いそうです。
事実、先進国では所得や職業階層の低い人ほど喫煙率が高いというデータもあります。
しかし、このデータは男性に限った話だということです。
その理由としては、女性は男性に比べて生活習慣が乱れにくいことがもっとも大きな理由のようです。
つまり、男性も生活習慣を正すことによって(食品も少しでも良質なものを腹8分目で食べることが病気の予防や長寿にとって有効であることが分っています)死亡リスクを減らすことができるのです。
( 引用 : 週刊文春2011年2月24日号「THIS WEEK 健康」 )