ペットとヒトの感染症について

 
イヌやネコなどのペットと一緒に寝ている方の感染症についてご紹介いたします。

米医学誌「Emerging Infectious Diseases(新興感染症)」2月号に掲載された報告によると、健康に見えるペットでも、ヒトの疾患の原因となる寄生虫、細菌、ウイルスをもつ可能性があるそうです。

250種類の人獣(じんじゅう)共通感染症(zoonotic disease)のうち100種類以上が家庭で飼われるペット由来のものであるとのこと。

ある症例では、69歳の男性がペットのイヌと一緒に寝ていて人工股関節置換術の創傷を舐められ、髄膜炎に罹患。
また、9歳の男児がノミの寄生したネコと一緒に寝たことにより、生命にかかわる細菌感染症であるペストに罹患した事例もあるそうです。
このほか、ネコやイヌと一緒に寝たり、キスをしたり、ペットになめられたりすることによってヒトに伝播(でんぱ)する感染症には、鉤(こう)虫、白癬、回虫、ネコひっかき病および薬剤耐性黄色ブドウ球菌感染症などがあります。


一方、ペットを飼うことによる健康面のメリットもあります。

心理面の効果にとどまらず、ペットは血圧降下、運動の促進、ストレスの軽減などをもたらすことがわかっています。

しかし、高齢者、5歳未満の幼児、HIV感染者やエイズ患者および癌(がん)患者など、免疫システムの低下した人ではリスクが高いため、ペットと眠ることは避けた方が良いそうです。


米国では年間数百万例の感染症がペットとヒトの間で伝播しているのではないかと推測されています。
ヒトからペットへの感染が起こります。


(引用:2011年1月20日 HealthDay News )