脳を若返らせる「ウィント3」

 
老化で減る脳の神経幹細胞を増やす仕組みを産業技術総合研究所と筑波大の研究チームが解明しました。

運動をすると、特定の細胞から分泌されるたんぱく質の因子であるWnt3(ウィント3)が増え、これが起点となって神経が新生する現象をマウスの実験で突き止めました。


老化によって、学習や記憶を担う脳の領域「海馬」にある神経幹細胞は数が減り、細胞を生み出す力も衰えてしまいます。

生後22カ月の老齢マウスと、9週間の若いマウスにて実験をしました。

その結果、比較をすると老齢マウスのWnt3産出量は若いマウスの30分の1しかありませんでした。


また、マウスにベルトコンベヤー上で毎日10分間2回ずつ走らせる運動を2週間続けたところ、運動前と比べてWnt3産出量は若いマウスで10~15倍、老齢マウスでは20~30倍と飛躍的に増えることが分りました。

以前から運動すると脳が活性化すると言われていましたが、老化で低下した神経を作る機能が復活し、脳の「若返り」につながる仕組みを細胞レベルで解明したのは初めてだそうです。


認知症など老化によって引き起こされる脳の障害を予防するためにも、定期的な運動を行いましょう!