11月14日は「世界糖尿病デー」

 

拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、2006年12月20日、国連は国連総会義で、IDF(国際糖尿病連合)が要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を加盟192カ国の全会一致で可決しました。

同時に、従来、IDFならびに世界保健機関(WHO)が定めていた11月14日を「世界糖尿病デー」として指定しました。



◆世界で10秒に1人の命を奪う糖尿病

糖尿病は今や世界の成人人口のおよそ5~6%となる、2億4600万人が抱える病気です。

一般的に死に至る病気との認識は薄いですが、年間実に380万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で死亡しています。

これは世界のどこかで、10秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算となり、AIDSによる死者に並ぶ数字です。

このまま進むと、世界の糖尿病人口は、2025年には3億8000万人(2007年比64.7%増)に達することが予想されています。

糖尿病患者の増加は特に発展途上国で顕著に見られ、経済成長、生活水準の向上、教育改善の大きな妨げとなっています。


◆日本国内での脅威

2006年に実施された糖尿病実態調査によると、日本には約820万の「糖尿病が強く疑われる人」が存在します。

さらに、「糖尿病の可能性を否定できない人」も約1,050万人おり、合計で総人口の10%を超える約1,870万人の糖尿病患者がいると推定されています。

また、40歳以上の3人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍である事実が、2006年の国民健康・栄養調査で発表されました。

糖尿病が原因の死者は日本で年間約1万人以上となっています。


◆糖尿病が引き起こす合併症

糖尿病は、ただ血糖値が上昇するだけの病気ではありません。
血糖値の上昇がもたらす合併症が恐い病気なのです。


◇慢性合併症

1.細小血管障害
 1)糖尿病性網膜症
 2)糖尿病性腎症
 3)糖尿病性神経障害
2.大血管障害
 1)脳血管障害
 2)虚血性心疾患
 3)糖尿病性壊疽
3.その他
 高脂血症・慢性感染症
 胆石症、白内障など

◇急性合併症

1.糖尿病性昏睡
 1)ケトン性昏睡
 2)非ケトン性高浸透圧性昏睡
 3)乳酸アシドーシス
 4)低血糖性昏睡
2.急性感染症


糖尿病の予防、治療の基本は食事管理と運動です。
そして、細胞を活性化させ、エネルギーを消費しやすくし、合併症から身を守ることが重要です。