薬剤の副作用を知ることも大切

 
薬剤は、病気を患った際に必要となることもあります。
これまで、多くの方々が恩恵を受けてきたことは事実です。

ただ、利用する前には、副作用について理解しておくことも忘れてはいけません。

アメリカにて副作用によるこんな研究が行われました。


アメリカでは年間推定10万人の高齢者が薬剤による害のために入院しています。

緊急入院の原因のほとんどが4つの一般的な製剤によることが、新しい研究で示されました。

この4製剤(糖尿病薬2製剤と抗凝固薬・抗血小板薬2製剤)が薬剤関連の緊急入院の3分の2を占めています。

米国疾病管理予防センター(CDC)にて、全米の代表的データベースを用いて2007~2009年に65歳以上の高齢者に発生した薬剤による被害5000例以上を特定し、それを用いて全人口での推定値を求めました。
その結果、入院のほぼ半数(48%)を80歳以上の高齢者が占め、そのほぼ3分の2(66%)が意図的でない過剰服薬によるものでした。

単独、併用にかかわらず最も多く列挙されたのは次の4製剤:

(1)抗凝固薬ワルファリン(商品名:ワーファリンほか)
◆血栓治療に用いられ、緊急入院の33%に関与。

(2)インスリン製剤
◆糖尿病患者の血糖コントロールに用いられ、14%に関与。

(3)アスピリンおよびクロピドグレル(商品名:プラビックス)などの抗血小板薬
◆血栓予防に用いられ、13%に関与。

(4)経口血糖降下薬
◆11%に関与。

抗血小板薬または抗凝血固薬の主な問題は出血であり、インスリンやその他の糖尿病薬では症例の約3分の2が錯乱や意識喪失、痙攣など精神状態の変化が関与していました。

65歳以上の米国高齢者の40%は5~9種類、18%は10種類以上の薬剤を服用していました。


これから健康な生活を送るためには、こういった副作用の事実を知り、薬剤とうまく付き合っていく必要があるでしょう。