国民医療費は高騰を続け、2010年度は、36兆6千億円となっています。
国民所得に対する割合も10%を超えています。
-以下は2009年度データ-
年齢別では65歳以上が19兆9,479億円と、全体の55.4%を占めています。
このうち、「後期高齢者」に区分される75歳以上は11兆7,335億円となります。
1人当たりの医療費は、65歳以上は68万7,700円で、75歳以上は85万5,800円でした。
この結果から、このままでは高齢化が進んでいる日本では、今後も医療費がますます高騰することは間違いありません。
一般診療医療費の内訳を傷病分類別でみますと
「循環器系の疾患」5兆5,394億円(全医療費の20.7%)
「新生物(がん)」3兆3,993億円(全医療費の12.7%)
「呼吸器系の疾患」2兆884億円(全医療費の7.8%)
「筋骨格系及び結合組織の疾患」1兆9,987億円(全医療費の7.5%)
「腎尿路生殖器系の疾患」1兆9,870億円(全医療費の7.4%)
となります。
さらに65歳以上に限ってみますと
「循環器系の疾患」4兆1,796億円(全年齢の75.4%)
「新生物(がん)」1兆9,830億円(全年齢の58.3%)
「筋骨格系及び結合組織の疾患」1兆2,729億円(全年齢の68.7%)
が多くなっております。
また、男女別にみますと、
男性では「循環器系の疾患」「がん」「腎尿路生殖器系の疾患」が多く、
女性では「循環器系の疾患」、「がん」、「筋骨格系及び結合組織の疾患」が多くなっています。
◆医療費の抑制はできます
上記で紹介させていただいた「循環器系の疾患」「新生物(がん)」「呼吸器系の疾患」「筋骨格系及び結合組織の疾患」「腎尿路生殖器系の疾患」ですが、この中で実際に医療機関に頼ることなく治療できる人は、どれだけいるのでしょうか。
このうちの何割ということは、算出できませんが、予防すること、そして症状が出ても医療機関に行くことなく、自助努力によって回復させられた方も多いのではないかと思います。
また、この5つの疾患の医療費の合計金額は、約15兆円です。
つまり、20兆円以上は、別の疾患となります。
もちろん、かぜ、腹痛、頭痛など身体を休め、温めてあげるだけでも治ってしまうような疾患もこの中には多く含まれます。
ということは、医療機関がどんな時に必要なのかを見極め、自助努力に務めれば相当な医療費が削減されるはずです。
このように患者が考えることができれば、3時間待ちの3分診療というようなことも起こらなくなり、医師もしっかりと一人ひとりの患者に対応することもできるのでないでしょうか。