健康的な睡眠時間とは?

健康的な睡眠時間は、個人差があり、何時間というはっきりとした時間では示すことができません。

睡眠不足が健康に良くないというのは、感覚としてお分かりだと思いますが、寝過ぎも健康には良くありません。

現在、日本人の3人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えているといわれています。

皆様は、快適な睡眠をとることができていますか?


実は、2000年まで睡眠時間と健康についての科学的な研究はほとんどありませんでしたが、2000年以降になり、重要な論文が次々と発表されるようになりました。

米国在住の男性1,139人を16年間追跡調査し、睡眠と糖尿病発症について調べた結果、1日に7時間眠る習慣の人がもっともリスクが少なく、それ以上長くても短くてもリスクが高まることが分かりました。


日本大学医学部の内山真主任教授の研究グループが、国民健康・栄養調査(2003年)のデータを分析したところ、高脂血症のリスクが低いのは6時間台で、それより短くても長くてもリスクが高まるという結果でした。

内山主任教授によると、この他の研究結果をみても、成人の場合、最適な睡眠時間は6~8時間とのことです。


◆加齢による睡眠への影響について

加齢によって体内時計が変化するそうです。内山主任教授によりますと「中高年になると、眠りは浅くなり、夜中起きたり、朝早く目覚めたりするのが普通」とのことです。

しかし、加齢による自分の眠りの変化を不安に感じ、その不安が不眠症の原因になることもあるようです。

眠れないときに、無理に眠ろうとすると、逆に睡眠が浅くなり、満足感を損ねてしまいます。

眠れない場合は、あまり焦らずに、眠くなるまで音楽を聴くなどリラックスできる時間を過ごすと良いでしょう。

寝酒も眠りが浅くなり、睡眠の質を低下させますので、ご注意を。


( 引用:2010.6.26 日経プラスワン )