人間は本来、年を重ねれば肌のハリを失い、シワが増え、その年齢相応の顔立ちになっていくもの。
しかし、中にはいつまでも実年齢よりも若く見える人々もいらっしゃいますよね。
そうした見た目の違いが、もしかしたら、寿命にも関わっているかもしれない。
そんな研究結果をデンマークの研究グループが発表しました。
この研究は南デンマーク大学で老化を専門にしているコーア・クリステンセン教授らのグループにより行われました。
クリステンセン教授らは、2001年1月時点で生存していた1,826人の双子(70歳以上)をサンプルに選び、その写真を20人の看護師、10人の若い男性、11人の中年の女性に見せました。
そして、写真の人物がいくつに見えるか、年齢を推測するよう依頼。
そして、この質問結果と、2008年の生存状況の関連性を調べました。
ここで双子を取り上げた理由については、老化に関わる遺伝子情報を同様に持っている点を考慮。
環境の違いにより生じた見た目の変化が、寿命の違いに結びつくのかどうかを容易に掴めるためです。
クリステンセン教授らは同じ双子の写真は別の日に見せ、客観的にその人の年齢を推測させるようにしました。
調査の結果、2008年の生存状況では、全体の37%に当たる675人が亡くなっていたことが判明。
その多くは2001年の年齢推測の際に、実年齢より老けて見られた人だったことから、「見た目の年齢は、生存状況とかなり関係している」と結論付けています。
また、同じ双子の間で推測された年齢の幅が大きいほど、老けて見られたほうは先に亡くなっていた例が多く見つかったという。
この結果にクリステンセン教授は「簡単に言えば『厳しい人生を歩んできた人は寿命が短い』。その人生は、顔に反映される」と語っています。
また、米紙ニューヨーク・デイリーニュースによると、研究ではサンプル者らの染色体調査も実施。
この中で教授らは、染色体の末端に見られる「テロメア」の長さを調べている。
「テロメア」は染色体末端部を保護する役割があるとされ、この部分が短い人は、老化のスピードも速く進行すると考えらています。
すると、今回の研究でも若く見えた人ほど、長い「テロメア」を持っていることが分かりました。
見た目の年齢は、肌の「シワ、シミ、たるみ」や、髪の毛の「コシ、ハリ」、そしてイキイキとしてエネルギッシュかなど、様々な面で判断をされます。
今回の研究結果、「若く見られる人は長生きする」というのは、大変納得できる結果です。
それは、見た目の年齢は、身体の中の状態を反映しているからです。
テロメアの長さについては、2009年のノーベル医学生理学賞によって注目をされました。
細胞分裂の回数を決定づけるテロメアの長さが、寿命に直結するのも納得ができますね。
皆様は、見た目の年齢何歳は実年齢と比べていかがでしょうか?
ちなみに、自分で判断すると、ちょっと判断が甘くなる傾向があるようです。