深呼吸のリラックス効果と健康効果

 
忙しくストレスが多い現代社会。

ストレスが多くなると、呼吸が浅くなってしまいます。

日々無意識に行っている呼吸ですが、実は健康を考える上で、呼吸はとても大切なものです。

本日は、呼吸の中でも「深呼吸」のリラックス効果と健康効果についてお伝えさせていただきます。


(1)副交感神経の働きが高まってリラックス

仕事や家事で疲れたとき、大きく息を吸ってゆっくり吐くと、体全体のこりがほぐれてゆったりした気分になります。

こうしたリラックス効果は、深呼吸のもつ大きなメリットの一つです。

ストレスを感じる時は呼吸が浅くなりがちですので、意識して深呼吸をするように心掛けてください。
 
深呼吸をするとリラックスできるのは、自律神経のうち交感神経の働きが弱まり、副交感神経の働きが強くなるからです。

また、副交感神経の働きが優位になると、体の末端の血流が改善されるため、冷え症の改善や美肌づくりにも効果的ですよ。 


(2)生活習慣病の予防にもつながる

深呼吸により、高血圧を改善し、動脈硬化や血栓を予防して生活習慣病の予防にもつながることもわかっています。

これは、呼吸をしたときに、肺から出る「プロスタグランディンI2(アイツー)」という物質による作用です。 

「プロスタグランディンI2」は医薬品にも使われている物質で、血管を拡張させて血圧を下げたり、血管を収縮させるホルモンの分泌を抑制する働きがあります。

また、動脈壁にコレステロールなどの血中脂質がしみ込むのを防いで動脈硬化を予防したり、血栓ができるのを防ぐ作用があります。 

他にも「プロスタグランディンE」という物質も出て、これも高い血圧降下作用を発揮します。 

「プロスタグランディンI2」や「プロスタグランディンE」の作用を十分に発揮させるには、肺全体を使った呼吸が理想的です。

それは、これらの物質は、肺を構成している肺胞(はいほう)というたくさんの小さな袋が大きくふくらんだとき、肺胞をとり巻く毛細血管の壁でつくられるからです。


浅い呼吸では動脈血への酸素の取り込みが十分行えず、酸素不足になってしまいます。

これでは全身の細胞はイキイキと働くことができません。

全肺呼吸で効率よく酸素を取り込み、細胞を活性化させてあげましょう。 

深呼吸は、時間や場所を選ばず、お金もかかりません。

朝起きたとき、夜寝る前、あるいは仕事や家事で疲れたとき、イライラしたとき、車の運転中に赤信号で止まったときなど、意識して行いましょう。